トップページ>名誉センター長からの挨拶
福岡市産学連携交流センター(FiaS,フィアス)は,九州大学学術研究都市の先導的施設として,平成20(2008)年4月に開設しました。当施設は,産学官連携による共同研究・開発の促進のため,新事業を行う実験や事務を行えるようレンタルラボ及びレンタルオフィスを提供するほか,分子レベルで物質が解析できる高度な電子顕微鏡などの分析機器を取り揃えるユニークな施設です。
FiaSの開設以来,センターにおける産学連携交流の推進役となる基幹研究室に九州大学の教授が入居し,大型プロジェクトの獲得や特許技術を活用した商品化のほか,九州大学発ベンチャー企業として有機ELの分野で世界的に注目されている株式会社Kyulux(キューラックス)や蚕を活用してワクチン開発等に取り組むKAICO株式会社など,九州大学の知的資源を活用して会社を立ち上げた事例も出てきております。
また,地域の中小企業等による新商品やサービスに係る研究開発を促進するため,福岡市,公益財団法人九州先端科学技術研究所(ISIT),国立大学法人九州大学,公益財団法人九州大学学術研究都市推進機構(OPACK,オーパック)の4者が連携して,専門研究者等の紹介や電子顕微鏡など各種の先端分析機器の活用により技術課題の解決支援を行う,よろず相談事業「分析NEXT」の取組みも平成29 (2017)年から開始しました。
平成30(2018)年9月には,九州大学の伊都キャンパスへの移転が完了し,今月から新しい元号である「令和」の時代が始まりました。九州大学学術研究都市のまちづくりは新たなフェーズを迎え,FiaSへの期待も高まっているところです。
FiaSの使命は,国内外の研究者と企業等の連携交流を促進することにより,新しい産業・事業の創出,地場企業の活性化,企業・研究機関等の立地促進を図り,地域経済発展及び九州大学学術研究都市づくりに資することです。今後も九州大学学術研究都市の中核施設として産学連携交流を促進し,地域経済のより一層の発展に貢献していくとともに,FiaSから世界的企業を生みだしていきたいと考えています。
令和元年5月
福岡市産学連携交流センター 名誉センター長 新海 征治